
外国人観光客が増え、2023年は10ヶ月で1,900万人もの訪日外国人がやってきている日本。 ますます世界全体でグローバル化が進む中、外国人を採用する企業は増えてきています。
それと同時に日本の「おもてなし」や「マナー」といった文化、風習を外国人に伝えるのには、我々日本人が海外との違いを理解することが必要とされています。
今回は、中国での人材育成やコーチング、マナー研修の講義に立たれているコチコンサルティング株式会社の愛甲香織さんに話を伺いました。
【インタビュー概要】
外国人向けマナー教育のプロである愛甲香織さんに、日系企業が外国人を採用する場合のマナーの問題や注意点を解説していただき、愛甲香織さんがどのようにその課題を解決しているかをインタビューする企画です。
【想定読者】
・これから、外国人を採用しようと考えている方
・日本のマナーを学び会社に取り入れたいと考えている方

福岡県福岡市出生、1983年日本航空株式会社入社 客室乗務員として29年間勤務。皇室、首相など数々のVIPフライト乗務の経験がある。管理職8年・訓練インストラクター、採用面接官、広報担当など様々な業務を担当。在職中30万人以上のお客様と出会い、7か国7000人以上の人材育成を体験した。2007年から2010年の3年半、中国上海赴任、中国人の人事労務管理に携わる。 2010年から2012年、日本航空経営破綻に伴い、会社再建に尽力、2012年日本航空退職。退職後、中国・台湾・日本で研修事業を展開。2015年株式会社ワンストップ・イノベーション創業メンバーとして参画。2023年、中国最大級の対日系企業向け人事コンサルティングサービスを展開する、株式会社コチコンサルティングの執行役員・CHOに就任。 日本国内では、多文化適応教育、インバウンド人材教育に奮闘中。2017年より、2020年オリンピック・パラリンピック大会に向けた多言語対応協議会委員 小売プロジェクトチームメンバーとして「ようこそことば」の普及に努めている。
マナー研修をスタートしたきっかけ
お話を伺うにあたり、まずは愛甲さんのマナー研修をスタートしたきっかけとして、その経歴や経験について伺いました。
マナーのプロ|愛甲さんのこれまで

まず愛甲さんの経歴やご経験を教えていただけますでしょうか?

はい。私は新卒で日本航空に入社して、29年間勤務いたしました。日本航空では様々なチャンスをもらうことができて、広報、サービス企画、トレーナーなど、さまざまな仕事に従事しました。中でも面白かったのは制服を変えるプロジェクトです。
― 客室乗務員さんの制服は時代で変わりますよね。
そうなんです。客室乗務員をメインにプロジェクトチームを立ち上げて、自分たちが機能性、利便性の高い制服を作りあげるのですが、私はプロジェクトリーダーとして参加しました。(JAL・8代目の制服)
― 他にはどんなお仕事を経験されましたか?
客室乗務員経験後は管理職になり、ロンドンに半年と中国に3年半の転勤になりました。中国では採用から教育の管理に携わりました。
― 採用してからの教育も愛甲さんが担当されたのでしょうか?
そうです。しかし、日本語での採用ではないので最初はとても苦労するんです。ほとんどが英語採用なので、約1ヶ月程度で日本語検定3級ぐらいまで取ってもらうトレーニングを行いました。
― その後は?
2010年に日本航空が経営破綻して、稲盛和夫さんに来ていただいてから、徹底的に叩き直されました。でもこの機会があったからこそ、今の仕事に通じる大きなきっかけをもらったように思います。
― 教育の部分ででしょうか?
主にビジネスについて考えさせてもらいました。
在籍中には、稲盛さんのお話を聞く機会があり、「なぜこの会社が存在しなければならないのかということを考えてほしい」と言われました。 飛行機を飛ばすことの意味、その目的を考えること、社会にとって、飛行機とは、この会社の存在意義とは?ということを言われました。
― 激動の時代ですよね
ビジネスのことを何も知らなかったし、「当たり前」と思っていたことが、実は当たり前じゃなかったことも知りました。稲盛さんはけっして特別なことは言わず、人として当たり前のことを続けて教えてくださって、主体的な人になるように言われたのを覚えています。
― すごい体験、経験ですね。その後、日本航空を退職されるんですよね
そうです。私は2012年に日本航空を退職しました。訪日外国人が増えるころだったたので、より多く、訪日外国人が来てくれるような仕事がしたいなと思っていました。また中国で、外国人の人材教育をしてきたということもあったので、中国で事業を立ち上げました。
― それはマナーや人材育成の事業ですか?
そうです。 中国ではマナー、人材の素養が不足している状況でした。2008年の北京五輪や、2010年の上海万博などの大イベントを終えたあとでも、国際化する中国国内で、マナー向上の気運があり、日本の茶道や華道など、自分を豊かにするような考え方などを伝える事業を行なっていました。
― 中国国内向けの事業なんですね。
そうです。その後、日本国内でインバウンド事業として、2015年に日本でワンストップイノベーションという企業を立ち上げました。
― インバウンドということは旅行業ですか?
旅行とは異なっていて、爆買いが始まった頃、ブランドショップやデパートに中国人材を派遣する、派遣業を行ってました。 中国人材が日本で必要だったんですね。同じ派遣業の企業も多くいましたが、差別化を図るために「正社員雇用」して「マナーもワンランク上」というサービスで、一番多いときで200人ちょっと雇用してました。
― 差別化を図ったんですね。
また、この頃検定も作りました。
この頃、企業から「人を採用するのにどこを見たらいいのか」と問い合わせを受けることが多くありました。 その基準を満たした人材は素養ある人材であることがわかるのが、グローバル人材ビジネス実務検定(G検)です。
― 検定はどんなところで広まったんでしょうか。
専門学校や大学で広まっていって、今まで13,000人が検定を保有しています。
― 今はどのような活動をメインにされているのですか?
現在は、東京都や埼玉県が行うインバウンドセミナーや、小さな商店街や個人店向けにも、外国人が来た時の対応などについて講座やセミナーを行なってます。 コロナ禍では、「外国人財を今後活用しましょう」という準備の期間でもあったので、行政が行うオンラインセミナーなどでお話しさせていただきました。
日本と海外でマナーは違う?
日本航空での経験を活かして、マナーや人材育成に力を入れている愛甲さんに、日本と海外のマナーの違いについて伺いました。
マナーの基本は万国共通だった
― マナーのプロである愛甲さんからみて、日本と海外のマナーに違いはあると思いますか?
よく日本のマナー、海外のマナーっていうんですけど、マナーの基本は同じなんです。マナーというのは、「相手への思いやり」や「配慮」を「言葉」や「形」に表すものだと考えています。 礼儀っていう言葉がありますが、礼は「心」で儀っていうのが「形」なんだと。 思いやる気持ちや心は同じなんだけど、それを表す形が違うんです。
― なるほど!根っこは同じということですか!
そうです。表し方、形が国によって異なるんです。
空気を読むは誤解の元

目から鱗です!日本のマナーに特徴はあるのでしょうか?

日本の表し方である「儀」の部分はお辞儀や、作法、マナーなどが特徴と言えるかもしれません。 他にもコミュニケーションの取り方が他の国とは異なります。日本は超ハイコンテクストといって、「空気をよむ、察する文化」といわれています。 言わなくてもわかるだろうという考えですが、これが誤解を生む原因でもあるんです。
※ハイコンテクスト・・・共有性が高く、言葉以外の表現に頼るコミュニケーション方法
― どのような誤解を生むのでしょうか?
仕事は見て覚える。そして、それすらも言わない、察するという点が誤解を生みます。 言わなくても通じるというのは、外国人には基本通じません。 日本人はもっとコミュニケーションをとる必要があります。
― 日本人のコミュニケーションは、足りないということですか
そうですね。海外から「日本はアンダーコミュニケーションだ」と言われています。 コミュニケーションがすごく少ないんです。
※アンダーコミュニケーション・・・ここでは、会話が少なく、コミュニケーションが難しい状況のことを指します
― でもおもてなしは素晴らしいと言われますよね。
日本に来た外国人観光客は、お店に入ると水を持ってきてくれるなど、さまざまなサービスを受けて大変感動してくれます。 しかし、段々とそれに「違和感」を感じてしまう方もいると思います。
― どういうことでしょうか?
過去の例ですが、飛行機のビジネスクラスで飲まず食わずで眠っていたアメリカの方がいたんです。 寝返りを打ったり、ちょっと目を開けたときに「お飲み物いかがですか」と様子を伺ったところ、大変嫌がられてしまいました。
― どうして嫌がったのでしょう?
こういったサービスは日本人の方は喜びますが、アメリカの方は「好きに過ごさせてほしい」という思いが強いようです。欲しいときには欲しいって言うから自由にさせて欲しいと言われました。その方には「本当にその人の立場になって考えられていないのでは?」と言われたのを今でも覚えています。
― 日本人にとっては良かれと思ったことも、海外では受け入れられないということですね。
そうです。これだけグローバル化してきた中では、日本人も変わっていかなければならないと思います。 日本のおもてなしもアップデートしていく必要があります。 豊臣秀吉が、織田信長の草履を温めていた美談も、今では通じないのかもしれません笑
日本人は海外でどう思われているのか
ここからは海外における日本人のマナーについても伺ってみました。
海外で通用する日本人になるために
― 日本人が、海外で働くときにどんな点に注意したら良いでしょう?
一言で言うのであれば、「オーバーコミュニケーション」ですね。 ちょっと黙っててくださいと言われるぐらいでちょうどいいと思います。
※オーバーコミュニケーション・・・相手の意見を聞き入れ、自分の意見も伝える、明快なコミュニケーション方法のこと
― オーバーコミュニケーションの取り方はどんなものがありますか?
たとえば、話を聞いたあとに「あなたの意見はわかりました。私の意見も言っていいですか?」っていうように、こちらからも意見を言っていく必要があります。それと、日本人には根付いている礼儀がありますよね。 遅刻しそうなときは事前に連絡したり、ものを丁寧に渡すのは「日本人やっぱりさすがだな」と思われるところです。
― オーバーコミュニケーションと日本人の礼儀正しさが大事と?
大事ですね。これからは、この2つをかけ合わせていくことで、日本人の良さが際立つと思います。
雑談にチャンスがある海外

では、日本人に教育する際、どういうことを重点に教えられていますか?

オーバーコミュニケーションと、持って生まれた礼儀を大事にすることはもちろん伝えます。 他には、迷ったら何でも言ってみること。そしてトライアンドエラーを繰り返すことを伝えています。
― 失敗しながら覚えていくんですね。
そうですね。 他には、雑談に対する意識が日本と海外では大きく異なることです。
― 雑談が異なるんですか?
日本は「潤滑油」のような雑談が多いんですね。 たとえば「天気がいいですね」とか雑談で話しますよね。 日本はそうやって人間関係を作っていく文化なんですが、海外では認識が違います。
― 海外の雑談はどういうものですか?
海外は「情報共有」という認識で、雑談をビジネスにつなげるイメージです。 リレーション文化が日本の雑談で、トランザクション文化が海外の雑談なんです。
※リレーション:人間関係 トランザクション:商取引など
― ほとんどの日本人は知らないことですね。
そうですね。こういうことを知らないと「結婚してるんですか?」などタブーなことも平気で聞いてしまいます。 日本人は会話が続かなくなると、プライバシーに踏み込む傾向があります。海外の人と比べると話題の見つけ方がスマートじゃないんです。
― 雑談に違いがあるとは思いませんでした。
他にも、海外の人は自分の国のことや歴史、文化を話せる人が多いです。 例えば、日本人に茶道のことを聞いても詳しくは知らない人のほうが多いんです。
― 確かに、あまり歴史や伝統文化については話さないし知らないかもしれません。
でも本当は学校で習っているから知っているはずなんです。
自国の歴史や文化について、知っておきましょうと伝えています。 これを話せるだけで、信頼され、成功に近づけると思います。一緒に仕事したいと思われやすいんです。
― 自国の歴史や文化ですか。改めて勉強する必要がありますね。
欧米のほとんどが、ローコンテクストで「端的に伝える文化」に対して、アジア圏はハイコンテクストの文化が根強いです。顔色をうかがったり、空気を読んだり察する文化が主流なので、このような違いを知ってもらうように研修しています。
※ローコンテクスト・・・前提の知識がなくても、文脈や事前の情報に頼らない、明快なコミュニケーション方法
外国人が日本で働くときに大切にしたいこと
ここからは日本での外国人のマナーについても伺いました。
大切なのは確認会話
― では、日本で外国人が働く場合の注意点などはありますか?
外国人には、日本ではコミュニケーションの取り方が違うことを主に伝えています。日本人は言わないから自分からどんどん聞いて、”確認会話”をしましょうと伝えます。具体的には、「これは正しいですか?」とか「間違ってませんか?」とか聞く作業です。
― 日本人は背中で語ったり、察してほしいと感じるところがありますからね。
外国人に日本のハイコンテクストを伝えるために、アフリカも同じくハイコンテクストなんだよって伝えています。
― えっ、アフリカですか?
アフリカもハイコンテクスト文化で、たくさんの民族がいて、言語が違うので、ジャンプとか踊りとか太鼓で伝える。 日本はジャンプもせず、踊りも踊らずに意思疎通する文化なんだよと伝えると、外国の人はすごく理解してくれるんですよ。
― そういう意味では日本はアフリカよりもハイコンテクストな文化なのかもしれませんね、
日本で働く外国人に伝えたいこと
― 外国人向けに他に伝えていることはありますか?
自分のやるべきこと、やりたいことは自分から見つけていきましょうと伝えています。 つまり、自分の仕事は自分で見つけていきましょうということです。
― 言われたことだけではなく、探すということですね。
そうです。主体性を持って行動することで、コミュニケーションが上手になっていきます。 あと、日本の独特なコミュニケーション文化で仕事ができるようになると、ものすごく財産になるという話もします。 ”世界一何も喋らないコミュニケーション”の中でやっていけたら、それは凄いスキルだと伝えています。
― 日本でやっていけたら、母国に帰ってからのコミュニケーションも変わりますよね。
日本でうまくやれたらコミュニケーションが上手になります。すぐに日本語や、仕事ができる子は、ハイコンテクストの人たちとうまくやっていける子です。 自分から主体的に聞いていったり、怒られても「え、どうしてですか」と聞いてしまいます。
― 聞けることが武器になるということですか?
居酒屋チェーンで働いていた子の例ですが、大将が怒ることが多く、日本人がすぐ辞めてしまう職場でした。 でも、外国人は怒られてもなんでも聞きますし、コミュニケーションをしっかり取るので、大将も可愛いく感じるようです。 ハイコンテクスト文化に馴染んでいけば、日本語の上達も早くなります。
― コミュニケーションで日本に馴染んでいくんですね
そうですね。心と心の交流を持つことで、信頼関係が築かれていくし、日本語も上達していきますね。 それに、何よりも日本は、安心できる国なんですよ。他国と比べて人を傷つける犯罪は少なく、どこに行っても温かく迎えてくれる。 こういう国って実は珍しいので、安心してコミュニケーションを取っていきましょうということを伝えています。
目的意識が大事|外国人を雇うならやるべきこと

日本人が外国人を雇うときには日本人側も受け入れていく姿勢が大切ということですか?

そうです。 ちゃんと聞くことが大切ですっていうことは日本人に伝えたいことです。 それともう一つあって、企業の研修では「Youは何しに我が社へ?」っていうのを問いかけてもらってます。
― 問いかけですか?
外国人材を雇った目的を明確にして、社長から下の人まで全員が理解して、受け入れましょうと伝えてます。外国人材はお給料が安いという時代ではないですからね。 目的がなくて、人が足りないという理由だけでは外国人材は定着しないし、社内に良い雰囲気も作れません。 今はそういう時代ではなくて「グローバル化を進めたい」、「ダイバーシティを大切にしたい」などの目的を社員全員に伝えることが大事です。
知らないことを知る!中国との大きな違い
日本人もコミュニケーションを取ること、目的の共有など学ぶべきことが多くあることに気付かされました。 ここからは、中国でも事業を展開されている愛甲さんに、中国との違いについても伺いました。

中国と日本ではどういう違いがありますか?

一般に、中国の人はマナーが良くないと言われますが、彼らは知らないだけです。 並ぶこと一つとっても、「並ぶ場所がわからない」んです。 街中でなにか配ってても、横から入ってきます。それが普通になっている社会では並ぶことを知らなくて当然です。
それでも、上海万博以降、中国の方が海外に出るようになって変わってきているように感じます。
― どのように変わってきてますか?
世界に出て、他の国の文化や生活に触れて、自分たちがやっていたことを理解してきています。
例えば、つばを吐いたり、地べたに座り込んだら恥ずかしいというのが海外に行って理解できたんです。国もそういったマナーなどの教育に力を入れてきています。
中国では、世界に通用するようなマナーが浸透していなかったので、教育して「まずは知る」ことから始めているようです。 今は、中国の新卒の人たちとご飯に行っても、ナイフとフォークがキチンと使えます。マナー教育が浸透している証拠です。
― 他に違いはありますか?
プライベートについて、しっかり線引されています。中国の方は自分の周りの人たち、家族や友人をとても大切にします。
中に入ってしまえばもちろん家族の話しなどもしますけど、入るまでに時間がかかる印象です。 自分たちのテリトリーがはっきりしているんですね。
― 文化的な違いから、時間がかかるということですか?
そうですね。なので、誰でも気軽に受け入れられていると思って接すると、ちょっと苦労します。距離感を上手に図るのが大事です。
心が豊かになる日本のマナー

海外の方が日本のマナーを学ぶ意義はどんなとこにありますか?

マナーを学ぶことで、心を込めることをより深く理解できると思います。 外国人からは、丁寧な動作などのマナーを学びたいと言われることがあります。
― 我々が自然とやっている動作を学びたいということですか?
そうです。中国の人が興味を示したことのひとつに「物を渡して、ゆっくり手を離す」ことを指す、「残心」という作法があります。
研修では残心などの細かなマナーも説明しますが、私達はモテナス日本さんと協力し、茶道などを体験する中で、実際にどのような所作なのか、より理解を深められるようにしています。
― 確かに、体験とマナーがセットになるとより深く理解できますね。
ちなみに残心は、武道や芸道で使われる言葉で、「相手に対する心を残す」という意味です。
例えば、相手に物を渡して、ゆっくり手を離すのは、残心がある動作です。「相手を大切にする心」を表すことができます。
― 残心が中国では新しい考えだったんですね。残心が斬新だったのです。
担当して5年目になる企業では、物の渡し方を、直線ではなく弧を描くように渡すことを伝えてきました。 しかし、売上重視になると、動作が雑になってしまうことがあります。「自分の売上のためにやらされてる感」が出てしまうんです。
― そこは今後の課題であり、マナーを学ぶ意義を知ってほしいですね
そうなんです。日本のマナーを学ぶと、相手のために心を込めることを理解できるし、意義があると思います。
まとめ
― 今回は勉強させていただきました。そして、私がホテルで働いてたときにお話を伺いたかったです笑
そうですよね笑 さまざまな行動や、マナーには必ず理由があります。 トイレの紙を流さずにゴミ箱に捨てるのも、配管を詰まらせてはいけないという配慮の一つだと思います。
― そういう意味では、我々日本人も他国の違う文化や考え方を知るっていうのは大切ですね。
そうです。インターネットで民度が低いとか高いとか言われますけど、民度に低いも高いもありません。 日本は教育が行き届いていて、知っていることが多いだけのことです。だから国全体で民度が高い低いという話は、ちょっと違うかなと思います。

違うっていうのは面白いんです。
― 違うから怖いとか嫌だではなく、面白いですね。
たとえば、宗教の関係で食べれないものがある人には「何が食べれませんか?」って聞いてしまうんです。 このように、コミュニケーションを取って相手のことを知れば、違いをより深く理解できるようになっていきます。 違いを理解すれば寛容になれますし、対応も変わります。
違うっていうのを面白いと感じてほしいです。
そういった異文化交流などについても、モテナス日本さんの持つ「体験」と一緒にして外国人や日本人にも伝えていきたいと思います。
― 本日は、貴重なお話を伺えてよかったです。ありがとうございました。
ありがとうございました。
今回の取材を通してマナーは「違うって面白い」というワードにすべてが凝縮されていたように感じました。 他国のことを知らないと相互理解にならないし、お互い良い関係になりづらいのだなと思います。 また、マナーは国によって表し方が違うだけで、根っこの部分が一緒という言葉には感動しました。今まで頭で理解していたつもりでも、マナーのプロから話を伺って、自分の考え方を大きく変えてくれるものになりました。
モテナス日本では、愛甲さんの研修と、茶道などの体験をセットにしたプランのご提案も行っております。お気軽にご相談ください。 これからも、マナー研修や、異文化交流を通して日本の良さを伝えてまいります。

30代男性ライター。ホテルに16年間勤務し、旅行業界に携わる。旅行代理店やホテルでの仕事を通じて旅行に興味を持ち、よく旅行に行っています。好きな都市は仙台と博多です。旅を通じて得た知識や日本の魅力を丁寧に伝えていきます。