世界有数の富豪層が多いUAE(アラブ首長国連邦)。
UAEからの大切なお客様を日本に招いた際に、失礼がないようにするためには文化や習慣について理解をしておくことはとても重要です。
UAEはイスラム教徒の国。イスラム教国の文化や習慣への理解は、日本でも広がってきていますが、それでもやはり知らないことが多い部分があるのではないでしょうか?
今回は、大切なUAEのお客様を日本で接待する際に必要な、UAEの基礎知識と、イスラム教徒の方とのビジネスの際に、配慮すべきポイントについて紹介します。
そしてUAEの大切なお客様がよろこぶ、日本文化体験も合わせて紹介しますので、ドバイやアブダビから来日されたお客様への接待に、ぜひ参考にしてみてくださいね。
まずはUAE(アラブ首長国連邦)について知ることが大切
7つの首長国(エミレート)で構成されるUAE(アラブ首長国連邦)
UAEとは、United Arab Emiratesの頭文字をとった略称で、日本語では「アラブ首長国連邦」といいます。
中東に位置するアラビア半島の東南端にあり、アラビア湾の出口と一部オマーン湾に面する「アブダビ」「ドバイ」「シャルジャ」「ラス・アル・ハイマ」「フジャイラ、アジュマン」「ウンム・アル・カイワイン」の、7つの首長国(エミレート)により構成される連邦国家です。
選挙により大統領が選出されますが、基本的にアブダビ首相がUAEの大統領、ドバイ首相が副大統領に就任しています。
首都はアブダビ市になり、中東の金融・貿易の拠点としてドバイ市をメインとし、アブダビが石油事業、ドバイが国際流通の拠点として発展しています。
参照:外務省公式サイト「アラブ首長国連邦(United Arab Emirates)」
UAE&JAPAN「アラブ首長国連邦」
UAE(アラブ首長国連邦)の文化と宗教
UAEの文化はアラブ文化の要素を強く反映しており、さまざまなシーンにおいて伝統的なアラブの習慣や風習が見られます。
UAEでは、イスラム教が国の公式宗教であり、ムスリムの祭りや行事が重要な役割を果たしています。
UAEに住む、生粋の人たちを英語でエミラティスといい、純粋なエミラティス人は人口の13%ほど。
公用語はアラビア語ですがドバイやアブダビでは英語も十分に通じます。
しかし、 UAEは保守的な社会であり、特に宗教的な習慣や道徳に対する尊重が求められます。
特にイスラム法(シャリア法)は、法律の制定や法的な判断に影響を与えるので、訪問者は現地の習慣や規制を尊重する必要があります。
アブダビ
アブダビは、アラブ首長国連邦(UAE)の首都であり、同国の最大都市です。
アブダビはアラブ首長国連邦の政治的な中心であり、7つの首長国(エミレート)からなる連邦の一員です。
経済的にも重要であり、石油資源を豊富に保有しています。
石油産業はアブダビ経済の主要な柱であり、国内外の多くのエネルギー企業が存在しています。
アブダビ首長国は、80%以上の連邦国土面積を占めています。
首都アブダビ市はアブダビ島にあり近代的な建築が連なる美しい街として知られています。
石油基地であるジルク、ダス、アルザナ、ムバーラスを始めとした多くの島々があり、石油産業以外にも2017年11月にフランス・ルーブル美術館の別館「ルーブル・アブダビ美術館」がオープンしました。
総工費40000億円の超豪華ホテル「エミレーツ・パレス・ホテル」が開発され、高級リゾート地としても愛されています。
ドバイ
ドバイは、アラブ首長国連邦(UAE)の一つで、アブダビ首長国とシャルジャ首長国の間に位置する中東のペルシャ湾に面した首長国です。
ドバイは石油を主要な経済収入源とはしておらず、代わりに、多様な経済活動を展開しています。
まず、ドバイは国際金融センターとして知られており、金融、貿易、不動産、観光などの分野で活気のあるビジネス環境を提供しています。
そして、高層ビル、贅沢なリゾート、砂漠サファリ、人工島、テーマパークなどの観光名所があり、世界的なリゾート地としても世界の富豪を集めています。
有名な観光スポットには、バージュアル・アラブ、ブルジュ・ハリファ(世界最高層の建築物)、ドバイ・モール(巨大なショッピングモール)、パーム・ジュメイラ(人工島)などがあり、ドバイは世界的な観光地として知られています。
ドバイはイスラム教を信仰する国ですが、国際的な都市であり、多様な文化が共存しています。
ドバイでは、イスラム教の文化や伝統を尊重しながら、国際的な娯楽やイベントが行われています。
また、ドバイには多くのモスクや文化的な施設もあり、観光客はこれらを訪れることができます。
近年の急速な発展と変革により、世界的な注目を集める都市となりました。
その高層ビルや先進的なインフラストラクチャー、独特な文化と経済活動は、多くの人々に魅力を与えています。
UAEの人はなぜお金持ちなのか?
UAEの平均収入
UAE、とくにアブダビとドバイの平均年収は約2,600万前後と言われています。
国全体の平均がこの金額というのは、世界的に見てもあり得ないほど高収入の国なのですが、ほとんどの高所得者は生粋のUAE人になり、UAE人の平均収入はそれ以上になるといわれています。
理由として、UAEでは外国人が公務員の職につくことが禁止されています。
ほとんどの高収入者は公務員で、外国人の平均収入は750万前後、東南アジアやアフリカ系移民の平均年間収入82万円程度と言われています。
参照:ドバイの平均年収はいくら?なぜ、ドバイには金持ちが多いのかを解説
UAEはレンティア国家
UAEはレンティア国家でもあります。
レンティア国家(Rentier State)は、主に石油や天然ガス、鉱物資源などの天然資源を豊富に保有している国々を指します。
これらの国家は、天然資源の採掘や輸出から得られる収入を活用し、国内の経済活動や政府予算を賄います。
政府が経済活動や公共サービスの提供において主導的な役割を果たし、政府は天然資源の収入を集中的に管理して、国内の開発プロジェクトや社会福祉への投資に充てることが一般的です。
レンティア国家の例としては、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、クウェートなどの石油を主要な収入源とする国々が挙げられます。
参照:ウィキペディア「レンティア国家」
ドバイが裕福な理由
ドバイでは1990年代より「経済」「金融」「観光」の3本を世界一の規模の国にするというスローガンのもと、開発と政策が勧められてきました。
2023年6月から法人税が発生することになりましたが、ドバイはUAEの一部であり「タックス・ヘイブン」の地域にあたります。
ドバイは元来アブダビや他の連邦国に比べると、石油が取れる場所ではありませんでしたが、「タックス・ヘブン」を導入することで、外国企業の拠点を集めることに成功したのです。
「タックス・ヘブン」により、個人所得税、付加価値税(日本の消費税のようなもの)や、投資で得られる配当や利息への税金も免除され、税制の優遇、ビジネスフレンドリーな政策、規制の簡素化など、起業家や企業にとって魅力的な条件が整っています。
同時に、ドバイは中東地域での国際的な金融センターとしての地位もを確立しました。
世界有数の銀行や金融機関が進出し、多国籍企業や投資家にサービスを提供し、金融セクターの発展により、高収入の仕事やビジネス機会が増え、富裕層の存在感を高めています。
ドバイの不動産市場は急速に成長し、世界的な注目を集め、世界中の投資家による高級住宅、商業施設、高層ビルなどの不動産プロジェクトが次々と進行し、投資家が資産を築く機会を提供しています。
そして、もともと真珠養殖などの産業のみの小さな国だったドバイですが、世界的な観光地として知られており、観光業は重要な経済部門として開発がすすんでいます。
モハメッド首相のプロジェクト「世界一の首都」計画により、7つ星の最高級ホテル「バージュアル・アラブ(Burj Al Arab)」に世界最大規模のハブ空港の建設を始め、ショッピングモール、リゾート、エンターテイメント施設など、豪華な観光施設が数多く存在し富豪層の観光客を惹きつけています。
このような政策により、ドバイは世界随一の裕福な国へと発展していきました。
参照:ドバイにおけるタックスヘイブンの成り立ちと節税対策について
税金も教育費も医療費も無料
エミラティス人の富豪ぶりは、ネット上でも色々噂されていますが、その大きな理由の一つに考えられることとして、国が豊かなことにより税金も教育費も医療費も無料です。
学費に関しては、外国留学まで国が負担してくれるため、若者は好きな国で好きなことを学び、自国にかえって公務員になります。
公務員はエミラティス人しかなることができないため、国の主要な部分はエミラティス人だけによって運営されています。
国家公務員だけではなく、地方公務員も高い年収を得ることができ、エミラティス人全体は裕福な家族で占められています。
また、ドバイでは都市計画がとても速いスピードで開発され、新しく生まれる不動産が多くあります。
なので、不動産投資をして家賃収入を得る人も多く、その上国から石油の配当金も配られるため常にお金があるので、基本的にあまり貯金をしていないそうです。
このように収入の分だけ使うことが普通になっていくため、他国で贅沢とされていることがスタンダードになっていく傾向にあります。
UAE(アブダビ/ドバイ)のビジネスマナー
UAEのビジネスマナーを知ることは、相手に失礼のない態度を取るため大切な一歩です。
こちらでは、UAEのビジネスでの基本マナーを紹介します。
初対面の挨拶
UAEでは、挨拶の際には握手が一般的です。
男性同士の間では握手が行われますが、女性と男性の間では女性が先に手を差し出すことが一般的です。
イスラムの国では、男性が女性に触れることはタブーなので、ビジネスの挨拶でもかならず女性側から差し出された手をあくしゅするようにしましょう。
また、挨拶の際には相手の肩書き敬称を使って尊敬を示すことが好まれます。
「アッサラーム・アライクム(al‐salām ‘alaykum)」と声をかけられることが多いのですが、これははじめましてのご挨拶です。
「神の平和があなたの頭上にありますように」という意味で、挨拶の言葉です。
もし「アッサラーム・アライクム!と言われたら、「ワ・アライクムッサラーム」と答えることが義務になっているので答えてみましょう。
ラマダンの時期にビジネスをする際に気をつけること
ラマダンの期間中、イスラム教徒は日の出から日没までの間、食事や飲み物を断つ断食を守ります。
ビジネスミーティングやランチなどの予定を調整する際には、相手が断食中である可能性を考慮し、配慮を示しましょう。
ラマダンは毎年変わるので、エミラティス人とのビジネスの際には、必ず確認することを推奨します。
場合によっては、イスラム教徒のビジネスパートナーとの会議や食事の予定を日没後に設定することが望ましいです。
ラマダンはイスラム教徒にとって特別な時期であり、その宗教的な意味合いを尊重しましょう。
断食を守ることでイスラム教徒は自己犠牲を行っているため、敬意をもって受け止め、相手の信仰を尊重する姿勢を示していきます。
ラマダンの期間中は、断食のためイスラム教徒のビジネスパートナーのエネルギーが低下しやすい場合があります。
そのため、スケジュールの調整や締結までの時間を考慮し、柔軟に対応することが重要です。
ラマダンは宗教的な期間であり、イスラム教徒の信仰に焦点が当てられています。
そのため、営業活動や宣伝活動においては神聖視されるこの時期を尊重することが大切です。
この時期のあまり過度な営業や宣伝活動は逆効果になるので気をつけましょう。
ラマダンの終わりにはイード・アル・フィトルという祝日があり、数日間の休暇が取られることが一般的です。
ビジネスの予定や締結にはこの祝日を考慮し、相手のスケジュールの調整を行う必要があります。
ラマダンの期間は、イスラム教徒とのビジネスにおいて敬意と配慮を示す重要な時期です。
相手の文化や信仰を尊重し、柔軟に対応することで、良好なビジネス関係を築くことができます。
カンドゥーラとアバヤ
UAE人の正装では、男性は白い「カンドゥーラ」、女性は黒い「アバヤ」とよばれる衣装を身につけています。
男性は白いマキシ丈ワンピースのような「カンドゥーラ」で、頭部には「クゥトラ」と呼ばれる白い布に、「アカール」とよばれる黒い紐を輪のように縛っています。
日本人学生の学生服のように学校でも着用し、スーツのように職場の正装です。
イスラム教の女性は人前で肌を出してはいけないため、黒い「アバヤ」という頭部からの服装をしています。
アバヤは一見、同じものに見えますが、細部にまで細かなデザインが施され種類が豊富です。
家の中ではアバヤを脱いで生活しているため、アバヤの下はあざやかなロングワンピースや若い人はジーンズなどカジュアルな服を楽しむ女性が多くみられます。
外国人でもモスク観光の際は必ずアバヤを身につけましょう。
参照:たびこふれ「UAEローカルの服装は?男性のカンドゥーラと女性のアバヤ。お土産で買うのもいいかもしれませんね♪」
UAEのビジネスをする時の服装
ドバイは国際都市。
よって、「普通」という基準がどこを指すのかがとても難しくなります。
生粋のUAE人以外にも多くの人がドバイで働き、アラブ諸国や欧米はもちろん、インドやシンガポール、フィリピンなど東南アジアやアフリカ諸国からの多くの国が企業拠点としています。
UAEの中で外国人が仕事をする際、スタンダードな服装と枠組みを考えるより、どの国の企業の人も、その国の文化や風習を踏まえた上でビジネスにふさわしい装いが期待されます。
生粋のUAE人を日本に招待した場合では、やはりスーツを基本としたカジュアルすぎない服装が推奨されるでしょう。
特に女性の場合は、イスラム教国で過度な露出や体型を強調するような服装はどこの国籍でも憚られます。
そしてUAEでビジネスをする人たちの傾向として、男性も女性も自分達の社会的ステイタスにあわせてハイブランドを身につける傾向です。
しかし、日本のようにカバンや財布だけがハイブランド、ということはなく「全身がハイブランドコーデならハイブランドを持ち、地下鉄などにはのらない。
」といったように、ステイタスに合わせた自然なハイブランド所持になります。
UAE人の正装では、男性は白い「カンドゥーラ」、女性は黒い「アバヤ」とよばれる全身を覆う衣装を身につけています。
男性は白いマキシ丈ワンピースのような「カンドゥーラ」で、頭部には「クゥトラ」と呼ばれる白い布に、「アカール」とよばれる黒い紐を輪のように縛っています。
これは正装なので重要な会議の際はこの服装をしている人が主流になり、迎える側もそれ相応の正装であるスーツが推奨されます。
余談ですが、カンドゥーラの高級品は日本製のものが人気なんだそうですよ。
参照:「なぜ金持ちの国ドバイが毎日着る○○を日本製の高級品しか認めないのか!?驚きの理由を探ってみた!」
UAEからのお客様を日本で接待する時に気をつけること
ここではイスラム教徒の国UAEからのお客様へ、失礼のないお出迎えをするために、特に気をつけるべきポイントを3点紹介します。
UAEのビジネス文化と礼儀
UAEのビジネス文化は非常にフォーマルであり、敬意を示すことが重要です。
どの国でも同じですが、相手を批判することや感情を露わにすることは特に避けるべきです。
また、ビジネス上の話題に対しても敬意を持ち、丁寧な態度を持つことが求められます。
ビジネスミーティングは通常、カンドゥーラとアバヤの正式な服装で行われます。
なので日本側からも失礼のないようなビジネススーツで臨みましょう。
UAEでは、予定よりも遅れて到着することが一般的なので、柔軟なスケジュール管理が求められます。
傾向として、会議の冒頭での世間話や一般的な話題に時間を割くことがあり、会議の時間は比較的長い傾向があるので、予定を多くみておきましょう。
お土産・ビジネスギフトについて
UAEでは、ビジネスギフトは一般的な習慣であり、取引や関係構築の一環として贈られることがあります。
ギフトは高級品や贅沢品ばかりを選ぶ必要はありませんが、品質の高いものや自国の特産品などを選ぶと良いでしょう。
日本らしいものや、伝統的な美しさのあるものが好まれるので、贈り物はしっかり選ぶことをおすすめします。
また甘いものが好きな人が多いので、ハラール対応食材で作られている和菓子もおすすめです。
基本的に日本のお土産文化に似ている部分があるので、贈り物を受け取った際には謙虚な態度で感謝の意を示すことが重要です。
食事はハラール食を準備する
イスラム教徒はハラールと呼ばれる食品を食べます。
ハラールとはコーランに従いイスラム教の食品規制に合致した食品。
ハラール食は豚肉、豚由来の副産物、アルコール、鳥肉のハラール規制に従わないものを避ける必要があります。
ビジネスランチやディナーの際には、ハラールの食事を提供するレストランを選ぶか、相手に適した食事の選択肢を用意しましょう。
ビジネスイベントや食事会の際には、相手がハラールの食事を選ぶように配慮し、食品の分離が必要になります。
また、イスラム教徒の中にはハラールな食事以外にも、ベジタリアンやビーガンの食事を選択する人もいるので、事前に確認をしておきましょう。
アルコール飲料はイスラム教徒にとって禁止されているので、会場には置かないようにするなどの配慮が必要になります。
参照:日本ハラール協会
真心を込めたおもてなしを
日常が既にラグジュアリーなUAEからのお客様をおもてなしするのは、とてもハイレベル。
普段、桁違いの豪華さの中で暮らしている彼らにとって、お金や豪華さだけの物差しでの対応を考えても、全く心に響きません。
豪華で上質であることは大前提な上で、さらに心まで感激するようなおもてなしを準備することが必要といえます。
それは、気配りであり、思いやりであり、誠実さといった、相手をよく思い接遇する心なのです。
そして、彼らの希望は桁違いなスケールの場合が多いので、臆せずによく耳を傾けご対応できるようにしましょう。
彼らはとてもサービスを受けることに慣れています。
なので、受けているサービスの質や相手の本質を見抜く目ももっているので、しっかりと接待のプロ、接客のプロとしてプライドをもって対応することが大切です。
UAEからのお客様におすすめの日本文化体験
何かと食事やお酒での制限のあるUAEからのお客様を、とことん満足していただけるような接待企画には、日本文化体験がおすすめです。
日本文化体験のおもてなしは、特別な経験と時間をご用意することができるので、お酒や食事にたよりがちな接待も、それ以上のラグジュアリー体験としておとどけできますよ。
こちらでは、UAEからのお客様に喜んでいただける日本文化を4選紹介します。
おすすめ関連記事:外国人に人気の日本文化体験!おすすめの体験型観光&VIP接待12選
お茶室での茶道体験
お酒が禁忌のイスラム教徒のUAEの方々をおもてなしするのなら、日本の茶道がおすすめです。
ドバイでは、客人をもてなす時「アラビック・コーヒー」でおもてなしをする文化があります。
アラビックコーヒーは、使用人ではなく家長がゲストに入れます。
客人側もコーヒーを飲む作法に従い、いただきます。
これは、とても茶道に似ていて、共通する精神も沢山あるので、大切なお客様をまずおもてなしするのなら、茶道でお出迎えしてみましょう。
また、清楚の中にある美を敬う心も、アラブと日本の間に見ることができる美意識です。
お互いの文化を一杯の飲み物を通して理解し合えるので、茶道体験はUAEの大切なお客様におすすめの日本文化ですよ。
おすすめ参考記事:【海外駐在員が実践】茶道と着物でおもてなし
参照:千家公式サイト「アラブ人の「おもてなし」と茶道」
香りを嗜む香道体験
アラブ諸国では香りを楽しむ文化があります。
シンプルなカドゥーンやアバヤを身につけているからこそ、香りでのおしゃれを楽しむ人が多くいます。
男性も香水を嗜み、身につけて香りのファッションを楽しんでいる模様です。
イスラム文化の中世代、王族が楽しむためのローズオイルの高い蒸留技術を誇っていました。
このころ蒸留装置により発酵物からアルコールが発見され、このアルコールに香料を混ぜたものが香水の始まりといわれています。
このようにアラブ諸国では、香水の歴史が長く、古来王族をはじめ上流階級の人たちの間で嗜まれてきたのです。
日本の香道は、ドバイやアブダビからのお客様にも満足していただける日本文化体験。
香道の講師を招き、通訳を準備して香道についても詳しく説明しながら、体験します。
もちろん品のある日本庭園が望める和室や茶室で本格的にご用意していきましょう。
希少な香木をご用意して、優雅なひとときを楽しんでいただきましょう!
参照:裏ドバイの「香り」事情 ~香りとイスラム文化の関係について~
和菓子作りのワークショップ
アラブ諸国の人たちは、甘いものが大好きです。
もしお客様が何か作る体験をしてみたいと考えていらっしゃるのでしたら、和菓子のワークショップはいかがでしょう?
和菓子は動物性のものは使わない日本の伝統甘味。
ヴィーガン食として海外でも人気があり、念の為使われる素材の確認が事前に必要ですが、ハラール食にも対応できますよ。
和菓子は目でも楽しむ日本のスイーツ。
春夏秋冬を目でもたのしめることから、日本らしさを存分に味わえる日本文化体験です。
美味しいお菓子を作った後は、お茶室でお抹茶をいただくのもいいですよね。
どちらも素敵な日本庭園が望める和室や茶室のある日本庭園でオーガナイズすれば、高級感のあるおもてなしとしてご用意できますよ。
歌舞伎鑑賞
2016年に、UAEの首長国の一つ、フジャイラで、歌舞伎役者市川海老蔵さんの歌舞伎公演「Grand Japan Theater」が開催されました。
そのことからも、UAEの人々にとって歌舞伎鑑賞はとても魅力があり、文化的交流としても有意義な催し物になるでしょう。
歌舞伎を普段鑑賞するためには歌舞伎座などに赴いての鑑賞になりますが、特別なお客様へのご用意ならば、プライベート空間に歌舞伎役者を呼び、講演を企画していただきましょう。
お食事を楽しみながらの講演など、富豪層がおおいUAEからのお客様にはピッタリな企画が可能になります。
また、講演の前に歌舞伎についての解説を歌舞伎役者からしていただけるので、なかなか外国人に理解が難しいとされる歌舞伎も本格的に楽しんでいただけます。
おすすめ関連記事:訪日インバウンドにおすすめ!人気の伝統芸能エンターテインメントとは?
参照:ドバイ経済新聞「UAEで市川海老蔵さんの歌舞伎公演 星空ステージに連獅子舞う」
まとめ
今回はUAE、アラブ首長国連邦からのお客様の接待について紹介しました。
世界有数の富豪層の多いUAEからのお客様の接待では、何をしていいのか迷うことが多いでしょう。
しかし、相手の文化や習慣をしっかり学び尊敬することで、自ずとおもてなし方法が見えてきます。
UAEからの大切なお客様に満足していただけるような、素敵なおもてなしをご用意してお迎えしていきましょう!
大学卒業後ロイター・ジャパンでSEとして勤務、その後ロイター・シンガポールでシステムマネージャーとして5年間勤務した後、オランダのビジネススクールで経営学を学び、日立製作所に入社。日立では新事業開発を担当し、中国での新事業や新興国での投資スキームを推進。11年間勤務後モテナス日本のサービスを運営開始し「世界と日本をもっと近づける」をモットーとして、日本文化体験を外国人向けに提供している。